2019年1月に非代償性肝硬変やDAA前治療不成功例に対する新規経口抗ウイルス薬「エプクルーサ配合錠」(一般名:ソホスブビル(SOF)/ベルパタスビル(VEL))が承認されました。日本肝臓学会は、これに伴いC型肝炎治療ガイドライン第7版(2019年6月)を公表。このなかで本剤の非代償性肝硬変例とDAA前治療不成功例に対する臨床試験成績・薬剤特性に対する記載、ゲノタイプ1型DAA前治療不成功例に対する治療推奨の変更, 非代償性肝硬変に対する治療の追加が行われています。
ゲノタイプ1型では
ゲノタイプ2型では
ゲノタイプ1型と2型混合感染例ではマヴィレットないしハーボニーが推奨
ゲノタイプ1型(NS3阻害剤/4A+NS5A阻害剤またはNA5A阻害剤+NS5B阻害剤不成功例)・ゲノタイプ2型(NS5B阻害剤+RBV不成功例)では
但し、DAAによる前治療不成功例には多彩な変異が出現し、ことにP32欠損はNA5A阻害薬に対し強い耐性を示し、P32欠損以外の変異も治療効果低下に関与する可能性があり、DAA前治療不成功例に対する再治療を検討する際にはNA3/4AならびにNS5A領域の薬剤耐性変異、ことにP32欠失の有無を測定した上で、肝臓専門医による慎重な治療薬選択がなされることが推奨されています。
C型非代償性肝硬変(すべてのゲノタイプ)の第一選択薬は、エプクルーサ配合錠(SOF/VEL)12週のみ。
DAA治療不成功例への再治療はSOF/VEL12週間投与を選択肢とする。重度の腎障害者はSOFの投与は禁忌である。Child-Pughスコア13点以上の症例に対する同薬剤の安全性は十分に検証されてなく、肝臓専門医による極めて慎重な経過観察が望ましいとされています。
【出典元】『C型肝炎治療ガイドライン』2019年6月 第7版
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